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~外国人雇用の現場から~ 外国人採用は実は難しい⁉

2024年4月15日

「外国人採用は実は難しい!?」

日本全国で外国人採用が進んでいる。最新の統計では日本で働く外国人は過去最高の204万人となった(厚生労働省「外国人雇用状況」令和5年10月末時点)。国籍ではベトナム人と中国人の労働者が約半数を占め、最近ではインドネシア人やネパール人が増えている。介護やITプログラマーなど様々な職種で活躍しており、外国人採用は急速に日本の労働社会に浸透し、一般化してきたように感じる。

とはいえ、依然として外国人採用で失敗する企業は多い。実際に「外国人を採用したけど1カ月で退職してしまった」とか「日本語のやり取りがスムーズに出来ずに困っている」など、外国人採用で苦労している企業の話はよく聞く。

外国人の採用を成功させるためには、外国人と日本人の違いをしっかりと理解することが大切だ。多くの外国人は文化や宗教が違うし、日本語がネイティブではないし、キャリアの考え方も違う。外国人の採用を日本人の採用と同様に考えてはいけない。面接の仕方、受入体制の整備、採用後のフォローなど外国人の採用で気を付ける点はたくさんある。

安易に外国人を採用すると、結局は早期の離職となったり、日々の支援に不満が溜まっていったりする。外国人採用は難しいものだと覚悟を決め、専門家にサポートしてもらいながら採用を進める必要がある。

もちろん外国人採用のメリットは大いにある。ITや多言語能力など専門的で高いスキルを持った外国人が採用出来ることもあるし、日本人の採用が難しい地域や職種で現在も多くの外国人が活躍している。また、若くてモチベーションが高い外国人を受け入れることで社内に活気が生まれる場合もある。

いずれにしても日本の人材不足はさらに深刻になるし、ビジネスはますます国際化していく。外国人採用を大変だと思わずに、是非とも積極的に外国人を採用して欲しい。変化の激しい時代を生き抜くためには多様性のある人材を受け入れることが大切である。

キャリアバンク株式会社
執行役員 海外事業部 部長
水田充彦

行政書士/社会保険労務士/日本語教師 有資格者。
外国人の採用・定着支援や自治体の多文化共生支援を専門とする。日本全国で外国人採用関連のセミナーを100回以上実施し、地域の外国人雇用の現状に精通。アジア圏を中心に50回以上の海外渡航歴があり、現地の送出機関や教育機関と豊富なネットワークを持つ。